Sunday, February 14, 2010

クエリーのブロケン・テール



[この記事はThe broken tail of queriesの和訳です]

つい前のポストで大きなミスを犯してしまいました。
結果のロングテールではなく、クエリーのロングテールです。
そして、それも健全な、滑らかな、長い尻尾ではなく、壊れている尻尾です。

より詳しく説明していきましょう。

まずは、ウィキペディアによる定義をもう一度見てみましょう。

”The Long Tail(ロングテール)とは、「あまり売れない商品が、ネット店舗での欠かせない収益源になる」とする考え方です”。
その概念を示すグラフはこちらになります:





商品売り上げのグラフです。縦軸を販売数量、横軸を商品名として販売数量順に並べると、あまり売れない商品が恐竜の尻尾のように長く伸びます。
つまり、販売数量が低い商品は沢山あるということを示せます。
そして、それぞれの領域に於ける面積が一致しています。

従って二番目のミスを犯してしまいました。
20-80ではなく、実は20-50です。
言い換えれば、全アイテムの20%は全ダウンロードの50%に当たるわけです。
残りの80%は残りの50%に当たります。
以前の記事で考えられていた数字よりも低いです。全アイテムの2割が全ダウンロードの8割を占めていると思っていたものです!

さて、サーチの世界に戻り、代わりに「結果」且つ「クエリー」という測定法を利用しましょう。
サーチに於いてもポピュラーなクエリーが、つまりごく普通のクエリーが沢山の検索結果を生み出すわけですが、特殊なクエリーは比較的に少ない検索結果を持ってきます。
言い換えれば、検索量数が低いクエリーは数々あります。
従って、以前のように人気度ランキングのようなグラフが得られます。
実際、ロングテールみたいなグラフが得られる筈です:





しかし、前回の記事で示したように、現在のサーチエンジンは非常に単純なクエリに対する処理しか出来ず、平均2.1キーワードで構成されているクエリーにしか検索結果を与えられません。
結果的にはほとんどのクエリーに対しては結果が出ません。
最終的にはクエリに関する壊れたロングテールが得られます:







それは残念な現象です。サーチエンジンの使用回数の半分に対しては結果が得られません。

しかし、実はそんな、単純なわけにはいきませんと貴方はもしかしたら言い返すかもしれません。
場合によって、ユーザーが探している商品名を正確に知っていることもあります。
そういう場合はサーチバーをフェッチドッグとして利用し、データベースにさえ入っていれば結果は当然出ます。
しかし、全く知らない商品を見てみたい場合は、その商品名は正確に知っています?
当然、知りません。
従って、先ほど初めて導入された、「壊れたロングテール」はほとんど変更されません。強いて言えば壊れる瞬間がちょっと遅れてしまいます。

検索結果が表示され、ユーザーは興味のある結果を選択し、好きな商品をダウンロードします。
ダウンロードするにはお金を払う必要がありますので、売り上げ数はダウンロード数に反映されています。
従って、もともと売り上げが発生する筈だったところには巨大なフラットゾーンが置き換えられます。





これは小売店に対しては大きな金の損失に繋がります。
ユーザーに対しては大きな時間の損失を生み出します。

ところが我々アスコットプロジェクトでは、特定の、パーソナルな、非常にカスタマイズされたクエリーに対する処理が出来るサーチエンジンのプロトタイプを作りました。
現在のサーチエンジンは沢山の情報が含まれているクエリーに対して結果を得るのに失敗しているのですが、我々は適合率の高い結果を提供することが出来たと確信しています。

ユーザーそして小売店、互いに得をする状況です。
ユーザーは今まで取り出せなかったアイテムを簡単に探し、入手します。
小売店は今まで利益を全く上げれなかった商品に対して売り上げを生み出すようになります。。。

3 comments:

  1. 80-20という経験則は、さまざまな分野で有効ですが、盲点があるわけですね。Broken Tail という言葉と図解で、その意味がよくわかりました。

    「適合率の高い検索結果を提供する」というのは正しいアプローチだと思います。どういう手法なりアルゴリズムでやっているかに関しては、今は深い議論に参加しませんが、ぜひユーザーにとって満足度の高い結果を出せるプロダクト版が実現できるよう、期待しております。

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  2. コメント、有難う御座います。

    適合率が高くなるはずというのは、クエリーに深まれているキーワードの中で生きている、その潜在的な曖昧性を削除する手法を見つけ出したからです。
    現在は単純なリンク型Webですので、100%削除できませんが。

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  3. hello... hapi blogging... have a nice day! just visiting here....

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